あけましておめでとうございます。
後編では、前編で整理したグローバルな環境変化を踏まえ、2026年以降に技術的な進展が期待されるバイオテックおよび製薬分野の領域について考察します。本稿で扱うのは、短期的な流行ではなく、科学的必然性に基づき着実に進化していくと考えられる分野です。
AIと生命科学の融合は新しい段階へ
AIはすでに生命科学分野に広く浸透していますが、2026年以降に注目されるのは、単独のAI技術ではなく、実験系やデータ基盤と統合された活用です。創薬プロセスにおいては、仮説生成から検証までを一体として設計するアプローチが進みつつあります。
この流れは、研究の再現性や意思決定の質を高める方向に作用します。AIは「代替」ではなく「補完」として、人間の判断を支える存在として成熟していくでしょう。
創薬モダリティの進化と設計思想の深化
抗体医薬、ADC、多重特異抗体などのモダリティは、すでに確立された技術でありながら、設計思想の面で進化を続けています。標的選択、分子設計、作用機序の理解が進むことで、より精密な医薬品開発が可能になりつつあります。
2026年は、新しいモダリティの爆発的な増加よりも、既存技術の洗練と応用範囲の拡張が進む年になるでしょう。
in vivoアプローチと制御技術の前進
細胞医療や遺伝子治療の分野では、in vivoアプローチに対する研究が着実に進んでいます。送達技術、免疫制御、可逆的な制御機構といった要素は、今後の技術進展の鍵となります。
商業化には依然として時間を要しますが、2026年は基盤技術の成熟が進む重要なフェーズと位置づけられます。
放射性医薬と新しい治療プラットフォーム
放射性医薬や標的放射線治療は、派手さはないものの、確実に存在感を高めています。物理学、化学、医学が交差するこの分野は、高い参入障壁と専門性を特徴としています。
2026年以降、これらの技術は特定の疾患領域において重要な治療選択肢として位置づけられていくでしょう。
精密医療とバイオマーカーの重要性
技術進展とともに、「どの患者に、どの治療を届けるか」という視点がますます重要になります。NGSや診断技術の進歩により、患者層の再定義が進み、治療効果の最大化が期待されます。
精密医療は、新薬開発と並ぶ重要な柱として、今後も進化を続けていきます。
Longevity研究は科学的整理の段階へ
Longevity研究は、抽象的な概念から、疾患や生物学的指標に基づく科学へと移行しつつあります。2026年は、基礎研究の整理と評価軸の明確化が進む年となるでしょう。
私の視点|技術進化と向き合うということ
技術が進歩するスピードは年々加速していますが、その価値は「どの方向へ使われるか」によって大きく変わります。私自身、技術の新しさよりも、それがどのように医療や社会に貢献するのかを考えることが重要だと感じています。
2026年以降、バイオテックや製薬の分野では、複数の技術をどう統合し、意味のある形で社会に届けるかが問われ続けるでしょう。未来は一つの技術で決まるのではなく、多くの選択と対話の積み重ねによって形作られていくと考えています。
※本記事はMorningglorysciences編集部が、公開情報および編集方針に基づき構成・編集しました。
関連記事





コメント