米国の研究チームが、アレルギー疾患の発症源を直接制御する新たな抗体医薬併用療法の開発を進めています。今回紹介されたアプローチでは、アレルギー反応の根幹を担う免疫グロブリンE(IgE)とその産生を促すサイトカインIL-4/IL-13の両方を標的とします。
既存の抗IgE抗体(オマリズマブ等)に加え、IL-4/IL-13受容体阻害抗体(デュピルマブ等)を併用することで、アレルギー反応の上流と下流の両経路を同時に抑制する戦略が提案されています。動物モデルや初期臨床試験では、食物アレルギーや喘息、アトピー性皮膚炎など広範なアレルギー疾患で有望な効果が示されています。
この多層的介入により、アレルギーの根治的治療につながる可能性が注目されています。
出典:Drug Discovery News (2025年6月), 記事リンク
【ひとこと】
アレルギー疾患は患者数が非常に多い一方で、発症メカニズムを上流から制御する治療法は限られてきました。今回のような二重標的による免疫介入は、将来の「予防的治療」の可能性も秘めており非常に期待感があります。今後の長期効果や安全性データに注目していきたいです。
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