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【戦略レビュー】中核の抗体医薬に加え、個別化医療・診断・RNA・細胞治療への拡張
Rocheは長年にわたって抗体医薬のリーダー企業であり、がん治療を中心に数々の画期的な薬剤を提供してきました。この10年では、診断・個別化医療に加え、RNA医薬や細胞治療といった新領域へ積極的に進出しています。
主な買収・提携(2015〜2025)
- 2017年:Foundation Medicine(がん遺伝子パネル診断、完全子会社化)
- 2018年:Flatiron Health(がんリアルワールドデータ解析、$1.9B)
- 2019年:Spark Therapeutics(遺伝子治療、$4.3B)
- 2021年:TIB Molbiol(PCR診断関連)
- 2021年:TIBIO(AI診断解析、非公開)
- 2024年:Alnylam社とのRNA医薬共同開発契約(最大$2.8B)
戦略的意義
Rocheは抗体医薬によるがん治療のパイオニアであり続けながら、個別化医療の鍵となる診断技術を自社で補完するための垂直統合を進めてきました。また、RNA医薬や遺伝子治療といった次世代の治療技術も積極的にポートフォリオに組み入れ、幅広い疾患領域と技術領域を網羅する体制を強化しています。
ひとこと
Rocheは、がん治療で培った経験と資金力を活かして診断・治療・予後まで一貫して関わる体制を築いてきました。RNA医薬や遺伝子治療などの領域でも主導権を狙う姿勢が明確であり、変化する治療技術に対して柔軟かつ戦略的な投資を続けています。
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