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【戦略レビュー】糖尿病・肥満症・オンコロジーのグローバル強化
Eli Lillyは、糖尿病と肥満領域で世界をリードしながら、オンコロジーや免疫、ニューロ領域への事業拡大も進めてきました。Mounjaro(チルゼパチド)の大ヒットを背景に、肥満症領域での新薬開発やパートナーシップにも積極投資を行っています。
主な買収・提携(2015〜2025)
- 2015年:Novartisから動物用医薬部門を取得(約53億ドル)
- 2019年:Loxo Oncology(がん領域、TRK阻害薬など)買収|約80億ドル
- 2020年:Dermira(アトピー性皮膚炎治療薬など)買収|約11億ドル
- 2021年:Prevail Therapeutics(神経変性疾患向け遺伝子治療)買収|約10億ドル
- 2022年:Akouos(聴覚障害治療向け遺伝子治療)買収|約6.1億ドル
- 2023年:Versanis Bio(肥満・代謝性疾患パイプライン)買収|約20億ドル
- 2024年:POINT Biopharma(放射性治療標的薬)買収|約14億ドル
- 2025年:不明(現時点では大型M&Aは未発表)
注目の動向と戦略的意義
糖尿病と肥満領域の圧倒的強みを活かして、収益をオンコロジー、神経変性、遺伝子治療、放射線標的治療などへ再投資。Loxo買収を皮切りに、希少がんや放射線療法など新たな領域開拓に成功しており、Versanis買収はMounjaro以後のポートフォリオ強化に直結します。
ひとこと
Eli Lillyは一貫して将来の柱を見据えた買収戦略を実行しています。既存の糖尿病・肥満製品の成功に安住することなく、次世代治療法への投資をバランスよく進めており、企業体力と技術眼の両面が際立つ印象です。
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