Biotech Investment News:第一三共の主な製薬事業Dealまとめ(2015〜2025)

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【戦略レビュー】ADCを軸としたグローバル展開と欧米提携の深化

第一三共は、抗体薬物複合体(ADC)を中核としたオンコロジー戦略により、グローバル製薬企業としての地位を急速に高めています。AstraZenecaやSeagenとの協業に加えて、2023年にはMerck(MSD)との大型提携が発表され、ADC領域の展開がさらに加速しています。

主な買収・提携(2015〜2025)

  • 2017年:アメリカにおける抗がん剤開発子会社(DS Pharma Research)設立
  • 2019年:AstraZenecaとEnhertu(HER2 ADC)共同開発・販売契約(最大69億ドル)
  • 2020年:Seattle Genetics(現Seagen)とDS-1062(TROP2 ADC)共同開発提携(最大62億ドル)
  • 2021年:Oric Pharmaceuticalsとがん治療薬共同開発提携
  • 2022年:Sarah Cannon Research InstituteとADC臨床開発ネットワーク構築
  • 2023年:Merckと3つのADC候補(DS-3939, DS-7300, DS-5322)を対象とする共同開発契約(最大220億ドル)
  • 2024年:国内外での中分子創薬およびADC製造技術に関する提携複数件(非公開)

注目の動向と戦略的意義

第一三共は、自社ADC技術を核に欧米市場での収益化を進めており、Enhertuは複数の適応症で成功を収めています。Merckとの提携により、複数のADC候補がグローバル開発段階に進み、同社のR&D・商業展開のさらなる加速が期待されます。

ひとこと

第一三共は、オンコロジーの中でも特にADC技術に集中した開発投資を行い、外部パートナーとの連携でグローバル市場を視野に入れた事業展開を推進しています。Merckとの戦略的パートナーシップは今後10年の柱となり得る重要なDealです。

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この記事を書いた人

大学院修了後、米国トップ研究病院に留学し本格的に治療法・治療薬創出に取り組み、成功体験を得る。その後複数のグローバル製薬会社に在籍し、研究・ビジネス、そしてベンチャー創出投資家を米国ボストン、シリコンバレーを中心にグローバルで活動。アカデミアにて大学院教員の役割も果たす。

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