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【戦略レビュー】製品化を視野に入れた買収と次世代モダリティ技術への積極投資
アステラス製薬は、2015年以降、がん治療、免疫、再生医療、眼科、神経疾患などの最先端領域に対して、製品化を見据えた買収と革新的技術との提携を推進してきました。中でも、GanymedやOgeda、Iveric Bioといった企業の買収は、実際に上市された製品に繋がる成果を生んでいます。
主な買収・提携事例一覧
- 2015年:Ocata Therapeutics(再生医療−眼科領域、379万ドル)
- 2016年:Ganymed Pharmaceuticals(がん治療、抗体Zolbetuximab取得、約14億ユーロ)
- 2017年:Mitobridge(ミトコンドリア疾患、最大5億ドル)
- 2017年:Ogeda(女性疾患/更年期治療薬Fezolinetant取得、最大8億ユーロ)
- 2019年:Xyphos Biosciences(CAR-T/NK細胞プラットフォーム、最大12億ドル)
- 2020年:Audentes Therapeutics(遺伝子治療、約30億ドル)
- 2020年:iota Biosciences(バイオエレクトロニクス、最大3.1億ドル)
- 2022年:Fimecs(分子間相互作用阻害の共同研究)
- 2023年:Cullgen(デグレーダー共同研究)
- 2023年:Iveric Bio(眼科用治療薬、Zimura取得、59億ドル)
- 2024年:Poseida Therapeutics(TCR-T細胞治療の提携)
注目の動向と戦略的意義
アステラスは製品志向型のM&Aを戦略的に進めながらも、次世代モダリティ技術については早期提携によるアクセス戦略を取り、内部開発力の補完を図っています。
ひとこと
アステラスは、日本発の製薬企業の中でも最も積極的な中型買収戦略を展開してきました。FezolinetantやZolbetuximabのように実際の製品化に繋がる成果も見え始めており、その意志ある投資姿勢は今後の展開にも注目です。
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