目次
【戦略レビュー】ワクチンとスペシャリティ領域への集中投資
GSKは近年、大型買収よりも戦略的提携を通じて中長期的な競争力を強化してきました。中でもワクチン、免疫炎症、感染症、オンコロジーに注力し、アセット主導型の開発強化を図っています。
主な買収・提携(2015〜2025)
- 2015年:Novartisとのジョイントベンチャー解消(ワクチン・OTC再編)
- 2018年:TESARO(卵巣がん PARP阻害剤)買収|約51億ドル
- 2019年:PfizerとOTCヘルスケア事業統合(Haleon分社化への布石)
- 2021年:Vir Biotechnologyと提携(COVID-19抗体治療・感染症)
- 2022年:Affinivax(次世代肺炎球菌ワクチン)買収|約30億ドル
- 2022年:Sierra Oncology(骨髄線維症治療薬)買収|約19億ドル
- 2023年:Bellus Health(慢性咳嗽治療薬)買収|約20億ドル
- 2025年:Aiolos Bio(喘息・炎症疾患向け抗IL-13抗体)買収|約15億ドル
注目の動向と戦略的意義
GSKはがん・炎症・ワクチンに特化し、スペシャリティ製品に焦点を当てた買収・提携戦略を実行しています。TESAROによってがん領域への本格参入を果たし、VirやAffinivaxとの連携で感染症領域での技術基盤も強化しました。
ひとこと
GSKはメガバイオ企業とは異なり、あえて選択と集中を進めながら、特定の疾患領域に深く入り込む戦略をとっています。近年の買収は少数精鋭ですが、それぞれに確かな技術と将来性があり、収益の質向上を狙っている印象です。
コメント