Biotech Investment News:大塚製薬の製薬事業における主なDealまとめ(2015〜2025)

目次

【戦略レビュー】中枢神経と希少疾患に特化したグローバル戦略

大塚製薬は、精神・神経疾患領域を中核としつつ、がんや希少疾患領域への展開を進めています。特に中枢神経系(CNS)領域においては米国を軸にしたM&A・提携を活用し、Abilifyをはじめとする製品群を補完・拡充しています。

主な買収・提携(2015〜2025)

  • 2017年:Neurovance(ADHD治療薬開発)|2億5000万ドル
  • 2018年:Visterra(抗体工学技術による希少疾患治療)|4億3000万ドル
  • 2018年:ReCor Medical(腎交感神経デナベーション技術、心血管系)→ 2023年に米FDA承認
  • 2019年:MediBeacon(腎機能バイオマーカーの非侵襲診断)
  • 2021年:Mindset Pharmaと提携(次世代精神疾患向けサイケデリック創薬)
  • 2023年:Astex Pharmaceuticals(DNAメチル化阻害薬、がん領域)との共同開発強化

注目の動向と戦略的意義

大塚製薬は、従来のCNS領域だけでなく、希少疾患・循環器・がんへの応用展開を視野に入れた技術取得を進めています。VisterraやReCorは技術志向型の買収であり、近年のパートナーシップではAI創薬やサイケデリック分野も射程に入っています。

ひとこと

大塚製薬は、自社の精神科領域の強みを起点としつつ、新たな創薬モダリティや診断技術の導入にも積極的です。米国を中心にした戦略的提携・買収は、グローバル企業としての地位を着実に高めています。がん領域に関しては子会社にがん特化である大鵬薬品を持ちますのでその戦略の棲み分け連携など事業構造は興味深いところがあります。

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この記事を書いた人

大学院修了後、米国トップ研究病院に留学し本格的に治療法・治療薬創出に取り組み、成功体験を得る。その後複数のグローバル製薬会社に在籍し、研究・ビジネス、そしてベンチャー創出投資家を米国ボストン、シリコンバレーを中心にグローバルで活動。アカデミアにて大学院教員の役割も果たす。

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