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【戦略レビュー】嚢胞性線維症を超えて:遺伝病、疼痛、再生医療へと拡張する投資
Vertex Pharmaceuticals(バーテックス)は、CF(嚢胞性線維症)治療薬で築いた地位を基盤に、RNA治療、遺伝子編集、再生医療、鎮痛領域などへの多角的なパイプライン拡大を進めています。
主な買収・提携事例一覧
- 2015年:CRISPR Therapeutics(遺伝子編集、共同研究)
- 2017年:BioAxone BioSciences(脊髄損傷治療開発、共同研究)
- 2018年:SemiNex(疼痛管理向けレーザー技術の探索)
- 2019年:Semenza Lab(低酸素応答因子ターゲット化に関する提携)
- 2019年:Exonics Therapeutics(デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する遺伝子編集、買収)
- 2020年:Affinia Therapeutics(AAVベースの遺伝子治療技術、提携)
- 2021年:ViaCyte(糖尿病に対する幹細胞療法、提携)
- 2022年:Mammoth Biosciences(CRISPR新技術、提携)
- 2023年:Verve Therapeutics(肝疾患へのCRISPR応用、提携)
- 2023年:Obsidian Therapeutics(免疫チェックポイント抑制、提携)
- 2024年:ViaCyte(前述の提携企業を買収、再生医療本格参入)
- 2025年:Alkermes(非依存性鎮痛薬技術の一部買収)
注目の動向と戦略的意義
VertexはCRISPR Therapeuticsとの提携により、鎌状赤血球症とβサラセミアに対する世界初の遺伝子編集治療(Casgevy)を実現しました。ViaCyteの買収で糖尿病治療への幹細胞アプローチも強化されています。
ひとこと
CF治療薬で大きな成功を収めたVertexですが、将来を見据えて再生医療や遺伝子編集技術に多角的に投資しています。成功確率が低くても、確かなステップで技術基盤と新薬開発に挑む姿勢が光ります。
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