Rare & Pediatric Disease News Vol.3 : 希少小児失明疾患に対する新たな遺伝子治療:Drug Discovery News特集

アメリカの研究チームは、先天性レーベル黒内障(Leber Congenital Amaurosis:LCA)という希少小児失明疾患に対して新たな遺伝子治療を開発しました。本治療は従来のAAVベクターを用いた遺伝子補充法とは異なり、RNA編集技術を利用してCEP290遺伝子変異を直接修正する手法が採用されています。動物モデルにおいて、網膜機能の回復が確認されました。

従来治療では治療が難しかった大型遺伝子にも応用可能性があり、他の難治性網膜疾患や神経疾患への展開も期待されています。今後はヒトでの臨床試験が次のステップとして予定されています。

出典:Drug Discovery News (2025年6月13日), 記事リンク

【私の想い】

RNA編集による遺伝子修復は、従来のAAVベース遺伝子治療の限界を補完する新たな可能性を示しています。特に大型遺伝子を標的とする点や、網膜疾患以外の応用領域にも広がる展望は今後非常に注目されます。今後は安全性や効果持続性、免疫反応への影響などが臨床開発上の重要な焦点となるでしょう。

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この記事を書いた人

大学院修了後、米国トップ研究病院に留学し本格的に治療法・治療薬創出に取り組み、成功体験を得る。その後複数のグローバル製薬会社に在籍し、研究・ビジネス、そしてベンチャー創出投資家を米国ボストン、シリコンバレーを中心にグローバルで活動。アカデミアにて大学院教員の役割も果たす。

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