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ストレスと老化を結ぶ“脳-身体エネルギー節約モデル”が注目
2025年6月のNature誌(Vol.642)では、「脳が老化に与える影響」に関する新たな仮説が紹介されました。コロンビア大学のMartin Picard氏らによる研究では、老化した細胞(いわゆるゾンビ細胞)がGDF15という因子を分泌し、これが脳にエネルギー過剰状態を伝えることで、脳が全身の代謝抑制を促している可能性が示されました。
主なポイント
- 老化細胞は若い細胞の2倍のエネルギーを消費
- GDF15が老化ストレスを脳に伝達する役割
- 脳が全身のエネルギー消費を抑える「節約モード」に
- 心理社会的ストレス(低い社会的地位、介護ストレスなど)も老化促進と関連
研究の意義と展望
- 老化制御における脳の役割という新たな視点
- GDF15のターゲット化やストレス低減による介入戦略の可能性
- 老化を“心と社会”のレベルから捉えるアプローチの重要性
ひとこと
老化の制御において、脳の働きとストレスとの関係はますます重要になっています。心のあり方や社会的関係が、老化という現象に深く関与していることを再認識する時代が来ています。
出典情報
本記事はNature誌 Vol.642(2025年6月19日号)「The brain’s role in ageing is starting to become clear」に基づき作成されています。
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