Morning Glory Sciences– Author –
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Drug Discovery News(創薬ニュース)
標的タンパク質分解を加速する革新技術「BPI」— 結合部位ごとの分解効率を可視化 はじめに タンパク質の「分解」を薬理学的に操作する――この標的タンパク質分解(TPD)技術は、これまで「創薬が難しい」とされてきた標的に対して新たな可能性を開く戦略と... -
治療薬ニュース
インフルエンザ予防に新時代到来?—CD388が示す「1回注射で1シーズン」保護効果 はじめに これまでインフルエンザの予防といえばワクチンが主流でしたが、今その常識が覆ろうとしています。Cidara Therapeutics社が開発中の長期作用型抗インフルエンザ薬「... -
【若返り・老化・再生研究シリーズ 第3回】加齢の黒幕は「脳」だった?
ストレスと老化を結ぶ“脳-身体エネルギー節約モデル”が注目 2025年6月のNature誌(Vol.642)では、「脳が老化に与える影響」に関する新たな仮説が紹介されました。コロンビア大学のMartin Picard氏らによる研究では、老化した細胞(いわゆるゾンビ細胞)が... -
日本の製薬企業は何を選び、どう世界に挑んだか?— 2015〜2025年の10年戦略総括
はじめに この10年、日本の大手製薬企業もグローバル競争の中で進化を遂げてきた。第一三共、武田薬品、大塚製薬、アステラスといった各社は、それぞれの強みを活かしながら、自社創薬、新規モダリティの導入、海外展開、そしてM&A戦略を通じて競争力... -
製薬メガファーマは何に賭けたか? — 2015〜2025年の買収・提携から読み解く技術と治療領域の潮流
はじめに 2015〜2025年の10年間、グローバル製薬企業は革新性の高い治療領域への進出と新技術の内製化・導入を進めてきた。本稿では、22社の企業動向をベースに、各社の戦略的買収・提携の動きから、主要テーマ・治療領域・技術トレンドを読み解く。 強化... -
がん治療薬ニュース速報:Sunvozertinib(Zegfrovy)がEGFR Exon20挿入変異を有するNSCLCにFDA迅速承認
【FDA承認速報】EGFR Exon20挿入変異陽性の進行非小細胞肺がんに新たな経口TKI 2025年7月2日、米国FDAは、EGFR Exon20挿入変異を有する局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対し、Sunvozertinib(Zegfrovy)を迅速承認しました。疾患進行後... -
がん治療薬ニュース速報:linvoseltamab(Lynozyfic)が再発・難治性多発性骨髄腫にFDA迅速承認
【FDA承認速報】BCMA/CD3二重特異性抗体「Lynozyfic(linvoseltamab)」が2025年7月2日に承認 2025年7月2日、米国FDAは再発・難治性の多発性骨髄腫(RRMM)患者に対する治療薬として、linvoseltamab(製品名:Lynozyfic)を迅速承認しました。本剤は、BCMA... -
【Science News】Cancer Discovery Perspective掲載:p53変異の腫瘍抑制機能を小分子で回復する新アプローチ
2025年6月号のCancer Discovery誌に掲載された最新研究で、小分子化合物を用いてp53変異タンパク質の腫瘍抑制機能を回復させる新戦略が報告されました。本研究は同号のPerspectiveでも特集され、注目を集めています。 p53は多くのがん種で最も高頻度に変異... -
Rare & Pediatric Disease News Vol.4:UBA5変異に起因する小児てんかん疾患の治療法探索
Screenshot オルガノイドモデルにより治療可能性が示唆された小児神経疾患 2025年6月、米セント・ジュード小児研究病院のHeather Mefford医師らは、極めて稀な小児てんかん疾患「UBA5関連脳症」に対して、ヒト脳オルガノイドモデルを活用した研究により、... -
Biotech Investment News:アステラス製薬の主な買収・提携まとめ(2015〜2025)
【戦略レビュー】製品化を視野に入れた買収と次世代モダリティ技術への積極投資 アステラス製薬は、2015年以降、がん治療、免疫、再生医療、眼科、神経疾患などの最先端領域に対して、製品化を見据えた買収と革新的技術との提携を推進してきました。中でも... -
Biotech Investment News:大塚製薬の製薬事業における主なDealまとめ(2015〜2025)
【戦略レビュー】中枢神経と希少疾患に特化したグローバル戦略 大塚製薬は、精神・神経疾患領域を中核としつつ、がんや希少疾患領域への展開を進めています。特に中枢神経系(CNS)領域においては米国を軸にしたM&A・提携を活用し、Abilifyをはじめと... -
Biotech Investment News:第一三共の主な製薬事業Dealまとめ(2015〜2025)
【戦略レビュー】ADCを軸としたグローバル展開と欧米提携の深化 第一三共は、抗体薬物複合体(ADC)を中核としたオンコロジー戦略により、グローバル製薬企業としての地位を急速に高めています。AstraZenecaやSeagenとの協業に加えて、2023年にはMerck(MS... -
Biotech Investment News:Takeda Pharmaceuticalの過去10年+最新Dealまとめ(2015〜2025)
【戦略レビュー】希少疾患・消化器・神経・腫瘍・ワクチンの5本柱とグローバル展開 武田薬品工業(Takeda)は、2011年のNycomed買収で欧州市場を獲得。呼吸器・消化器領域の基盤を築き、その後Shireの買収で希少疾患領域へ本格進出しました。さらにNanothe... -
【Science News】Cell Leading Edge掲載:細胞休眠(quiescence)出入りを制御する転写リモデリングの新知見
2025年6月号のCell誌に掲載された最新研究により、細胞が休眠状態(quiescence)に入る過程と、再び増殖を再開する過程を統合的に制御する転写プログラムが明らかとなりました。本論文はCellの注目特集であるLeading Edgeにも選出されています。 研究チー... -
FDA Treatment News:CAR-T細胞治療におけるREMS規制がFDAにより撤廃
【FDA発表】CAR-T製品に課されていたREMS制度が2025年6月に撤廃 2025年6月、米国食品医薬品局(FDA)は、自家CAR-T細胞治療製品(autologous CAR-T therapies)に対して課していたリスク評価および緩和戦略(REMS)制度を廃止したと発表しました。これは、... -
Biotech Investment News:バーテックスの主な買収・提携まとめ(2015〜2025)
【戦略レビュー】嚢胞性線維症を超えて:遺伝病、疼痛、再生医療へと拡張する投資 Vertex Pharmaceuticals(バーテックス)は、CF(嚢胞性線維症)治療薬で築いた地位を基盤に、RNA治療、遺伝子編集、再生医療、鎮痛領域などへの多角的なパイプライン拡大... -
Biotech Investment News:リジェネロンの主な買収・提携まとめ(2015〜2025)
【戦略レビュー】抗体技術・遺伝子編集・眼科領域での先端的統合 Regeneron Pharmaceuticals(リジェネロン)は、独自の抗体開発プラットフォーム「VelociSuite」を基盤に、眼科・免疫・腫瘍・希少疾患領域を中心に成長。近年はCRISPRやRNAiなど先端技術企... -
Biotech Investment News:Novo Nordisk(ノボ ノルディスク)の過去10年+2025年の主なDealまとめ(2015〜2025)
【戦略レビュー】糖尿病の巨人から、肥満・NASH・RNA・希少疾患への飛躍 Novo Nordiskは、GLP-1受容体作動薬(Ozempic、Wegovy)で世界的な成功を収めつつ、近年は肥満治療に続き、NASH、循環器、RNA創薬、希少疾患など多様な領域に拡大を図っています。買... -
Biotech Investment News:Gileadの過去10年+2025年の主なDealまとめ(2015〜2025)
【戦略レビュー】抗ウイルス薬からがん免疫治療・遺伝子治療への大規模シフト Gileadはもともと抗ウイルス薬、特にHIVやC型肝炎での世界的シェアを誇っていましたが、特許切れによる収益低下を背景に、2015年以降がん免疫治療や遺伝子治療へ積極的なM&... -
Biotech Investment News:バイエルの主な買収・提携まとめ(2015〜2025)
【戦略レビュー】ゲノム編集、細胞治療、眼科・がん領域への長期投資 Bayer(バイエル)はこの10年間で、伝統的な医薬から次世代の細胞・遺伝子治療へと軸足を移しつつあり、複数のバイオテクノロジー企業との戦略的買収・提携を進めています。特にBlueRoc...