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【FDA承認速報】BCMA/CD3二重特異性抗体「Lynozyfic(linvoseltamab)」が2025年7月2日に承認
2025年7月2日、米国FDAは再発・難治性の多発性骨髄腫(RRMM)患者に対する治療薬として、linvoseltamab(製品名:Lynozyfic)を迅速承認しました。本剤は、BCMA(B-cell maturation antigen)とCD3を標的とする二重特異性抗体(T細胞リダイレクター)であり、リスク評価と緩和戦略(REMS)プログラム下で承認されました。
疾患概要:多発性骨髄腫とは
多発性骨髄腫は、形質細胞のがんであり、貧血、骨病変、腎障害、高カルシウム血症などを引き起こします。標準治療後に再発した患者では、新たな治療選択肢が求められています。
治療薬概要
- 薬剤名:linvoseltamab(製品名:Lynozyfic)
- 開発企業:Regeneron Pharmaceuticals
- 承認日:2025年7月2日
- 適応症:再発または難治性多発性骨髄腫(RRMM)
- 作用機序:BCMA/CD3 二重特異性抗体によるT細胞誘導型抗腫瘍作用
- 根拠試験:LINKER-MM1試験(フェーズ1/2)
- 主な有害事象:サイトカイン放出症候群(CRS)、ICANS(免疫エフェクター細胞関連神経毒性)
患者さん向け解説
LynozyficはT細胞をがん細胞に誘導することで抗腫瘍効果を発揮する新しい抗体薬です。CAR-T療法のような細胞回収を必要とせず、より迅速に治療が可能です。
承認の意義
本剤は、これまでのCAR-T療法や抗BCMA抗体薬に効果が得られなかった患者に対して、新たな選択肢を提供する点で臨床的意義が高く、今後の治療体系にも影響を与える可能性があります。
出典情報
本承認情報は Drugs@FDA(米国食品医薬品局) に基づいています。
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