2025年11月19日、米国食品医薬品局(FDA)は、AmgenのTarlatamab-dlle(Imdelltra)を広範期小細胞肺がん(ES-SCLC)でプラチナ製剤治療後に進行した成人患者を対象に本承認しました。
同日、BayerのSevabertinib(Hyrnuo)を、HER2(ERBB2)チロシンキナーゼドメイン活性化変異を有する非扁平上皮性進行/転移性非小細胞肺がん(NSCLC)を対象に加速承認しました。
Tarlatamab-dlle(Imdelltra)本承認:小細胞肺がんに新たな標準へ
TarlatamabはDLL3を標的とするCD3×DLL3二重特異抗体(TCE)であり、2024年の加速承認に続き、今回DeLLphi-304試験(NCT05740566)の結果に基づき本承認に移行しました。
- 登録患者数:509名比較:Tarlatamab vs 医師選択化学療法(Topotecan / Lurbinectedin / Amrubicin)主要評価項目:全生存期間(OS)
主要結果:
- OS中央値:13.6ヶ月 vs 8.3ヶ月(HR=0.60, p<0.001)PFS:4.2ヶ月 vs 3.2ヶ月(HR=0.72)患者報告アウトカム:息切れ症状が18週で有意に改善
添付文書にはCRS(サイトカイン放出症候群)とICANS(免疫エフェクター細胞関連神経毒性)に関するボックス警告が含まれます。用量:Cycle1 Day1:1mg → Day8・15:10mg → 以降2週毎10mg
Sevabertinib(Hyrnuo)加速承認:HER2 TKD変異NSCLCに新治療
SevabertinibはHER2(ERBB2)TKD活性化変異を標的とする低分子阻害薬です。有効性は、SOHO-01試験(NCT05099172)の結果に基づき評価されました。HER2-TKD変異で前治療歴あり(HER2標的ADC未使用)70名:
- ORR:71%奏効期間中央値(DOR):9.2ヶ月54%がDOR≥6ヶ月
HER2 ADC既治療(52名):
- ORR:38%DOR中央値:7.0ヶ月
添付文書には下痢、肝障害、間質性肺疾患(ILD)/肺炎、眼毒性、膵酵素上昇、胎児毒性の警告が記載されています。用量:20mgを1日2回、食事とともに経口投与
承認の意義:TCEとHER2-TKD阻害の新潮流
Tarlatamab本承認は、DLL3標的TCEがSCLCでOS改善を示した初の事例として極めて重要です。
既存治療の限界を超えた長期生存の可能性を示す動きであり、今後のSCLC治療の中心になる可能性があります。Sevabertinibは、HER2-TKD変異という“ニッチだが高未充足”領域に強い選択性を示し、ADC後治療にも効果を残す特徴が注目されます。両薬剤はProject Orbisで海外規制当局と並行レビューされ、希少がん・難治がん領域における開発加速の象徴でもあります。
この記事はMorningglorysciences編集部によって制作されました。

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