がん治療薬ニュース速報:Datopotamab deruxtecan(Datroway)がEGFR変異非小細胞肺がんにFDA加速承認

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【FDA承認速報】第一三共のDatrowayがEGFR変異を有するNSCLCに対して加速承認(2025年6月23日)

2025年6月23日、米国FDAはDatopotamab deruxtecan-dlnk(商品名:Datroway)を、EGFR遺伝子変異陽性の局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)で、EGFR阻害薬およびプラチナ製剤を含む化学療法歴のある成人患者を対象に、加速承認しました。

疾患背景と治療意義

NSCLC患者の一部はEGFR遺伝子変異を有し、初期治療としてEGFR阻害薬が用いられますが、進行や再発が避けられないこともあります。本剤は、新たなADC(抗体薬物複合体)として、これら治療歴のある患者に新たな選択肢を提供します。

治療履歴サマリー

  • 薬剤名:Datopotamab deruxtecan-dlnk(Datroway)
  • 企業:第一三共
  • 承認日:2025年6月23日(加速承認)
  • 適応症:EGFR遺伝子変異を有し、EGFR阻害薬およびプラチナ系化学療法歴のある局所進行/転移性NSCLC
  • 投与方法:6 mg/kg(最大540 mg)、3週ごとの点滴静注
  • 根拠試験:TROPION-Lung05(単群)およびTROPION-Lung01(RCT)
  • 主な効果:奏効率 45%(95% CI: 35–54)、奏効期間中央値 6.5か月(95% CI: 4.2–8.4)

安全性と注意事項

  • 間質性肺疾患(ILD)/肺炎
  • 眼障害、口内炎、胎児毒性

ひとこと

EGFR-TKIとプラチナ療法後の治療選択肢が乏しいNSCLC領域で、Datrowayの登場はADCの真価を問う機会となります。進行肺がんにおける次の標準治療候補として期待が高まります。

出典情報

本情報は Drugs@FDA に基づいています。

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この記事を書いた人

大学院修了後、米国トップ研究病院に留学し本格的に治療法・治療薬創出に取り組み、成功体験を得る。その後複数のグローバル製薬会社に在籍し、研究・ビジネス、そしてベンチャー創出投資家を米国ボストン、シリコンバレーを中心にグローバルで活動。アカデミアにて大学院教員の役割も果たす。

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