新シリーズ がんの不安をほどく:臓器別・基本の全体像 第5回:前立腺がん:PSAで不安になったら読むページ(追加検査と治療の選び方)

「PSAが高いと言われた」「PSAがじわじわ上がっている」「再検査になった」。前立腺がんは“数字(PSA)”が先に出てくるため、不安が加速しやすいテーマです。

この記事は、生活者の方が落ち着いて状況整理できるように、前立腺がんのPSAの位置づけ/追加検査の流れ/生検/ステージ(広がり)評価/治療の選び方を、全体像としてやさしくまとめます(※一般的な情報であり、診断や治療の代替ではありません)。

新シリーズ がんの不安をほどく:臓器別・基本の全体像

目次

まず結論:PSAで不安なときの整理は「3つ」

  • PSAは“がん確定”ではない(入口のサイン)
  • 次の一手は“追加検査の流れに乗る”こと(PSA→診察→MRI→必要なら生検)
  • 見つかった場合も、すぐ治療しない選択肢がある(監視療法など)

前立腺がんには進行がゆっくりで、治療を急がない方が生活の質(QOL)を守れるケースもあります。だからこそ「PSA=即手術」ではありません。

PSAとは?:できること/できないこと

PSAは前立腺由来のタンパクで、血液検査で測れます。重要なのは、PSAが上がる理由は前立腺がん以外にもあるという点です。

PSAが高くなる主な理由(がん以外もある)

  • 前立腺肥大症
  • 前立腺炎などの炎症
  • 尿路感染など
  • 医療行為や刺激(状況により)

つまり、PSAは「確定診断」ではなく、追加検査へつなぐ入口です。検査の流れが見えていると、数字に振り回されにくくなります。

最初の受診先:どこに行けばいい?

  • 泌尿器科(前立腺の評価・検査の導線が一番スムーズ)
  • 健診でPSA高値→まず泌尿器科へ、が基本の近道

検査の流れ(全体像):多くはこの順で進む

①PSAの確認+診察(直腸診など)

まずPSAの値や推移を確認し、必要に応じて診察(直腸診)を行います。ここで「疑いの強さ」を整理し、次の検査の優先順位が決まります。:contentReference[oaicite:4]{index=4}

②MRI(mpMRI)で“生検が必要か”を見極める

近年は、mpMRI(マルチパラメトリックMRI)で異常が疑われる部位を確認し、生検の必要性や狙いどころ(標的)を整理する流れが一般的になっています。:contentReference[oaicite:5]{index=5}

③確定診断:前立腺生検(組織で確かめる)

  • 超音波(経直腸エコー)で見ながら針で組織を採取し、顕微鏡で確認します
  • 方法:経直腸生検経会陰生検など
  • MRI画像を使って狙うMRI標的生検が行われることもあります

画像やPSAだけでは「確定」にならず、最終的には組織(病理)で診断します。:contentReference[oaicite:6]{index=6}

「生検で陰性」でも終わりとは限らない

生検でがんが見つからなくても、PSAが上昇し続けるなど疑いが続く場合は、再評価(再MRI・再生検)が検討されることがあります。:contentReference[oaicite:7]{index=7}

ステージ(広がり)の検査:怖い検査ではなく“治療の地図”

がんが疑われたり確定した場合、広がりや転移の有無を調べて治療を選ぶために、CT/MRI/PET/骨シンチなどの検査が追加されることがあります。:contentReference[oaicite:8]{index=8}

治療の選び方:大きく「監視」か「治療」か

前立腺がんには進行がゆっくりのタイプもあり、すぐ治療しないことが合理的な場合があります。:contentReference[oaicite:9]{index=9}

1) 監視療法(アクティブサーベイランス)

低リスクと判断される場合、定期的なPSA検査や必要に応じた検査で見守り、変化が出たら治療に切り替える考え方です。過剰治療を避け、QOL低下リスクを減らす目的があります。:contentReference[oaicite:10]{index=10}

2) 手術

がんの広がりや体の状態によって、根治を目指して手術が選択されることがあります。

3) 放射線治療

手術と並ぶ主要な選択肢です。外照射や、状況により別の方法が検討されます。

4) 薬物療法(ホルモン療法など)

病期や再発リスクに応じて、放射線や他の治療と組み合わせたり、進行・再発の場面で中心になったりします。:contentReference[oaicite:11]{index=11}

受診前にメモしておくと話が早い(家族にも役立つ)

  • PSA:いつ、いくつ、推移(過去分があると強い)
  • 症状:排尿の変化(夜間頻尿、勢い低下、残尿感など)
  • 既往歴:前立腺炎、前立腺肥大、尿路感染
  • 内服:血液をサラサラにする薬(生検前に重要)
  • 家族歴:前立腺がん、近親者のがん

よくある誤解(検索の沼を避ける)

  • 「PSA高値=がん確定」ではありません(入口のサイン)。:contentReference[oaicite:12]{index=12}
  • 「がんが見つかった=即治療」でもありません(監視療法という合理的選択肢がある)。:contentReference[oaicite:13]{index=13}
  • 「生検が怖いから先延ばし」より、流れを理解して必要性を主治医と決める方が不安が減ります。

まとめ(1分で復習)

  • PSAは確定ではなく、追加検査の入口
  • 多くの流れはPSA→診察→mpMRI→必要なら生検:contentReference[oaicite:14]{index=14}
  • 確定は組織(生検)
  • 見つかっても、監視療法を含めて合理的に選べる:contentReference[oaicite:15]{index=15}

次に読む(予定)

  • 第6回:膵がん:なぜ見つけにくい?症状・検査・治療の全体像を整理
  • 第7回:卵巣がん:症状がはっきりしない時に、何を確認すればよい?


Morningglorysciences teamの編集です。

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この記事を書いた人

大学院修了後、米国トップ研究病院に留学し本格的に治療法・治療薬創出に取り組み、成功体験を得る。その後複数のグローバル製薬会社に在籍し、研究・ビジネス、そしてベンチャー創出投資家を米国ボストン、シリコンバレーを中心にグローバルで活動。アカデミアにて大学院教員の役割も果たす。

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