これまで主に血液がんで成功を収めてきたCAR-T細胞治療が、消化器系の固形がん(特に大腸がん、胃がん、食道がんなど)においても有望な成果を示し始めています。米国の研究チームは、特定の固形がん抗原(CLDN18.2など)を標的としたCAR-T細胞療法の前臨床試験や初期臨床試験において、安全性および有効性の初期データを報告しました。
固形がんにおけるCAR-T細胞療法は、腫瘍微小環境の障壁や標的抗原の選定が課題とされてきましたが、今回の成果はこれらの課題に対する新たな突破口となる可能性が注目されています。今後さらなる臨床試験が期待されています。
出典:Drug Discovery News (2025年6月上旬), 記事リンク
【私の想い】
固形がんへのCAR-T細胞応用は長年追求されてきた難題ですが、最近のCLDN18.2など新たな抗原標的によって徐々に臨床応用が現実味を帯びてきました。特に消化器がん領域での進展は、今後の固形がん免疫細胞療法の重要な転換点になると感じます。安全性管理や持続的効果の確立が今後の開発のカギとなります。