がん治療薬ニュース速報:taletrectinib (Ibtrozi) がROS1陽性非小細胞肺がんにFDA承認

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【FDA承認速報】Nuvation Bioのtaletrectinib (Ibtrozi)がROS1陽性非小細胞肺がんに承認(2025年6月11日)

2025年6月11日、米国FDAはtaletrectinib (Ibtrozi)を成人の局所進行または転移性ROS1陽性非小細胞肺がん(NSCLC)治療薬として承認しました。本剤はキナーゼ阻害剤であり、TRUST-I試験(NCT04395677)およびTRUST-II試験(NCT04919811)の結果に基づいて承認されました。

疾患概要:ROS1陽性非小細胞肺がんとは

ROS1陽性非小細胞肺がんは肺がんのサブタイプのひとつで、遺伝子融合によりROS1キナーゼが活性化することで発症します。ROS1を標的とした分子標的治療薬が有効とされています。

治療履歴サマリー

  • 薬剤名:taletrectinib (Ibtrozi)
  • 企業:Nuvation Bio Inc.
  • 承認日:2025年6月11日
  • 適応症:ROS1陽性局所進行または転移性非小細胞肺がん
  • 作用機序:ROS1キナーゼ阻害
  • 根拠試験:TRUST-I (NCT04395677)、TRUST-II (NCT04919811)
  • 主な効果:
    • ROS1 TKI未治療例:ORR 85–90%、DOR ≥12ヶ月は63–72%
    • ROS1 TKI既治療例:ORR 52–62%、DOR ≥6ヶ月は74–83%

患者さん向け解説

IbtroziはROS1遺伝子異常を標的にした新しい経口薬で、治療歴の有無を問わず高い奏効率が示されています。服用は空腹時に行われます。

M&A情報

  • 子会社情報:該当なし(Nuvation Bio自社開発)
  • 買収日:該当なし
  • 買収当時の開発段階:該当なし
  • 投資家情報:Public Investors (NYSE: NUVB)

出典情報

本承認情報は Drugs@FDA(米国食品医薬品局) およびAACR配信情報に基づいています。

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この記事を書いた人

大学院修了後、米国トップ研究病院に留学し本格的に治療法・治療薬創出に取り組み、成功体験を得る。その後複数のグローバル製薬会社に在籍し、研究・ビジネス、そしてベンチャー創出投資家を米国ボストン、シリコンバレーを中心にグローバルで活動。アカデミアにて大学院教員の役割も果たす。

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